本校では、いくつかの作品を書き上げたことのある方(中級者)、およびかなりの数の作品を書き発表したこともある方(上級者)などが集まって、さらに腕をみがくために講座を開いています。また、初めて作品を書こうとしている方や、何か書きたいがどのジャンルが自分に向いているかわからない方(初心者)のために、基本からの実作指導の初心者講座を設けています。
作品づくりは孤独な作業にもなりますが、仲間ができることで悩みを解決することもでき、お互いに刺激を受け、切磋琢磨もできます。
初歩からの実作
(第1・3土曜 Aクラス12:00~14:45、Bクラス16:00~18:45)
講師:吉居和弘
この講座は、これから書き始める人のために、文章教室と文学鑑賞を一回置きに交互に行います。文章教室は、懇切丁寧に文章の実作指導をします。小説の文章は情報を伝える文章とどこが違うのか、プロの文章に近付くには、自分の文章のどんな点をなおしていけばいいのかなど、創作のための文章を基礎から学びます。また通信教育で扱った初心者の添削指導の経験から、ジャンルも幅広く、ファンタジーやSF、ミステリーなども含みます。
一方、文学鑑賞は、文学にチャレンジするために、日本の中・短編小説の参考になるものをとりあげて、いろいろな小説作法の初歩を学ぶための手ががりにします。また、現代の若い作家の作品は、ここまできているという感触もつかみたいと思います。
養おう! 小説の客観的視点
(第2・4土曜14:00~16:45)
講師:岡本修治
サブ講師:山竹伸一・二本松泰子・野田零児
基本的には受講生から事前に提出された作品への合評(クラスの参加者からの建設的な批評)を通して、よりよい作品に仕上げていく、全員参加型の授業を目指します。ただしルールを設けます。自由にしゃべるのは大いに歓迎です。しかし自分勝手にしゃべるのは禁止です。ここの違いをかぎわけることのできるクラスにしたいです。
まずは作品を読む楽しみを味わってみます。つまり読者の立場に立ちます。その上で「私ならこう表現をする」「私ならこう構成を変える」等、今度は書く立場に立ちます。すると作者に対して「よくぞ書かれた」と敬意が湧いてくるものです。書くことへの共感は産みの苦しみの共有でもあります。読者・作者の両方の立場で作品に接するクラスにしたいと思っています。
事前に作品を提出していただいて進めたいです。受講生の提出作品がないときは最近の作家の小説を中心に、事前に指定して学びます。何より予習が大事です。
「私」からはじまる文章教室
(第2・4金曜 18:00~20:45)
講師:森口賢一
「作者にしか見えなかった現実がそのまま他者に伝わる」
これこそが優れた作品の条件であり、広く表現と呼ばれるものです。
それでは、優れた作品を作るにはどうしたらいいのでしょうか。それには良い題材と優れた技術が必要です。では、優れた題材を選ぶにはどうすれば良いのか。
その前にそもそも、「優れた題材」とは何なのか。
優れた作品には作者の強烈なメッセージがあります。作者の問題意識がそのまま作品に投影されているからです。それを言いかえるとすれば、作者自身が投影されていると言ってもいいでしょう。要するに、一番の題材は作者自身の存在の中にあります。人間が一人いるとします。その人が一番真剣に付き合ってきた人物は他でもない自分自身なのではないでしょうか。題材も、それを伝えるための技術も、全ては「私」から始まります。このことにあまりジャンルは関係ないような気がします。
おどろおどろしいリアリズムも、想像力の羽を広げて空高く舞い上がるような世界も、土台がしっかりしているからこそ表現できるのではないでしょうか。
まずは「私」から始めましょう。自身にとって絶対的存在である自分を厳しく観察し、描写する。そこから相対的な「私」を掴むことができれば、それによってはじめて「他者」や「世界」をつかむことが可能になるのです。
作品をレベルアップさせる教室
(第2・4土曜 17:00~19:50)
講師:浜江順子
いかに自分の小説をさらなる高みに上げていくか、通信コースで長年培った講評の実績と通学コースのいいとこどりを実践した教室を目指します。各自の目標にいかに近づけるか。それがテーマです。純文学もエンタメ文学もジャンルにはこだわりません。提出していただいた作品を全員で感想を述べあい、より良い作品にするのはどうしたらいいか、みんなで考えていきます。ワイワイ自由な楽しい雰囲気がポイントです。長年、小説を書いてきた経験を生かして、私も参加していきます。ここではあくまでも皆さんの躍動する自由な意見が主体です。作者にも作品の意図、テーマの設定、自信のあるところ、少し不安なところなど、自由に述べてもらいます。一段落したところで、私が講評していきます。全体のテーマ、構成、文章のリズム、細部の一行一行まで細かく分析していきます。いま、創作中のお悩み相談も皆さんから受けます。最後に全員に作品を講評したものをお渡しします。
なお、適宜、読書会を開き、名作や話題の作品を鑑賞していきます。
●現在開講中のコースはどなたでも無料で見学できます。
●各講座定員12名とします。
●登録は原則として一講座としますが、もう一つの講座にも申し出て受講することができます。
●申込者が7名に満たないコースは他のコースに合併する場合があります。
●詳しくは事務局までお問い合わせください。